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[レビュー]映画 グリーンブック

2019/2/26 - 映画

アカデミー賞の作品賞受賞で話題になっている映画グリーンブックを幸運にも日本公開に先立って試写会で鑑賞する事ができました。
作品賞受賞のニュースを見て、私自身も「とても良い映画なので納得だなー」と感じたのでこのタイミングでご紹介します。

グリーンブックアカデミー賞作品賞助演男優賞脚本賞の3部門を受賞しました。
助演男優賞を受賞したのは黒人主人公を演じたハーシャラ・アリさんで、アカデミー賞で助演男優賞を受賞したのは2度目であり、黒人がアカデミー賞で助演男優賞2冠を達成するのは史上初であったそうです。
監督のピーター・ファレリーさんはお下劣コメディのメリーに首ったけ(1998年)のヒットで知られる方で、彼の技量で重いテーマの中にクスッと笑えるようなシーンがちらほらと盛り込まれています。

この映画グリーンブックは実話を基にしたお話だそうです。
人種差別が色濃く残る1960年代のアメリカ南部を舞台に、黒人ジャズピアニストとイタリア系白人運転手(兼用心棒)の2人がアメリカでも特に人種差別の激しい地域であるディープサウスでツアーを行う中で、お互いの先入観による誤解が解けてゆき男同士の友情が芽生えていくという感動のお話です。
映画のタイトルにもなっているグリーンブックというのは黒人向け旅行ガイドブックの名称で、当時は人種差別により黒人が利用できる施設が限られていたためそのような施設ばかりがまとめられているガイドブックが必要とされていたようです。
こういうことを何となくしか知らなかったのでそういう事実を少し深く知るきっかけにもなる映画でした。

主人公はちょっとアウトローなイタリア系白人で色々な理由からお金にも困っている様子ですがたくさんの家族に囲まれて賑やかに暮らしています。
もう一人の主人公は天才的なジャズピアニストで崇高な精神を持つお金持ちで宮殿のような芸術品に囲まれた部屋に住んでいるけど一人孤独で黒人として差別を受ける辛い立場でもあります。
自分の立場から黒人主人公は「自分はこうあるべき」といったような崇高な精神のもと抑圧された生活を送っていましたが白人主人公の自由奔放な生き方に刺激をされ影響を受けることで何かから解放されたような感覚を得ることになります。
逆に白人主人公は何不自由なく名誉も財産も持っているように見える黒人主人公の孤独や辛さを知ることで彼に興味を持ち惹かれてゆき友情を育んでいくという大人の友情のお話です。
自分が持っていないものを相手が持っていて、それを受け入れることで世界が広がっていくっていう感覚はいつまでも持っておきたいものですね!

ところでこの作品、黒人主人公が天才ピアニストということで音楽映画のような印象を受けますが別に音楽映画ではないんです。
演奏シーンはありますが飾り程度で日本がプッシュした映画たちであるラ・ラ・ランドグレイテストショーマンボヘミアンラブソディなどから続く流れを考えると音楽映画と錯覚しちゃいそうですよね…
正直、日本での作品のプロモーションの方法はちょっとずるいかなとも感じちゃいます。
なんとなく「おっさんずラブ」を連想させそうな謳い文句をつかったり(そういう作品ではない)、「ラ・ラ・ランド」の名前を出しちゃってるけどスタッフが関係してるわけじゃなくて「ラ・ラ・ランドと同じ賞をとりました」って意味だったり、良い作品なのに無理やり裾野を広げようとしてるので日本で公開されたら「思ってた映画と違う」っていう理由での不評も出ちゃうかもと思ってみたり。

もちろん、作品自体は素晴らしく、私的にはこの作品のテーマは「境遇の違う男(おっさん)同士の友情」だと思うので難しいことを考えずにその部分だけ楽しむのもありかなって思います。
感動はするけど
鑑賞したみんなが号泣するタイプの映画でもないし、迫力のあるシーンがあるというわけでもないので映画館映えするタイプの映画ではないと思いますが、レンタルなども含めて何らかの方法で鑑賞してほしい作品です。