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[レビュー]映画 オール・ユー・ニード・イズ・キル

2018/8/3 - 映画

日本のラノベをアメリカが映画化!
ボキャ貧っぽいタイトルとは裏腹に良い意味のアメリカさが爆発しています

ストイックな死に戻りループもの

ビートルズの曲として有名な「オール・ユー・ニード・イズ・ラブ」を借りてきたようなタイトルですが元は日本のラノベだそうで、デスノートの漫画作画でも有名な小畑健さんの漫画版もあります。

私はラノベも漫画もみていないので映画版のみの鑑賞なのですがいいですねこれ!
作品としては死ぬと記憶を持ったまま過去に戻って生き返ることができる主人公が何度も死にながら失敗を正してトライアンドエラーを繰り返していくっていう今の日本のオタクの感覚から見たらコッテコテな作品です。
ラノベ原作アニメで人気が爆発したリゼロもこんな感じの設定だったのでそれでピンと来る人は多いかもしれませんね。

日本の作品だとこの主人公をティーンエイジャーの男女にしちゃうんでしょうけど、アメリカ映画版はイケメンおじさん(トム・クルーズ)とイカツめの妙齢女性(エミリー・ブラント)が演じるので私たちに媚びる気は一切なしです!
原作と不用意に比べられることもなく話の本筋や映像に集中できる好采配かと思います!

 

発狂しそうな「強くてニューゲーム」をささっと進めてくれる観せ方

主人公は死んで過去に戻るたびに「あそこのあの行動がいけなかった」と反省し、そこをクリアして死ぬと「さらに次はあそこがいけなかった」とひたすらトライアンドエラーを繰り返します。
死んで過去に戻る場所、時間は同じなので序盤でクリアした部分は何度も何度も死んでやり直し、そのたびに同じ行動を繰り返しているわけですよ…
未来に進むにつれて「クリアしなければならないポイント」が増えるのですが、未来で死ねば多くの時間を積み重ねた分だけまたやり直しになります。
しかも、最後は「この人がこの場所に差し掛かった瞬間すり抜けて、その何秒後にターンするとクリア」など秒刻みのようなシーンも出てきます。
その解答に行き着くまでに何度も何度も数え切れないほど「死に戻り」を繰り返したことでしょうし、死に戻った時点から未来のそのシーンにたどり着くまで一つのステップもミスしてはならない行動を記憶しておかなければならないことでしょう…
もしも自分だったらと考えると発狂しちゃいそうなほどの苦行ですが、映画ではそれらの積み重ねを「主人公の苦労は伝わるけど、繰り返しによる視聴者の時間は無駄にしないみせかた」が行われていて素晴らしいです。

ループもの作品って観せ方を間違えるとただ冗長に繰り返し同じシーンをみせられて観る側が苦痛になっちゃうのですが、この作品はその辺のさじ加減が良くそういう心配は不要です。
これはトム・クルーズさんの演技力のおかげという面も大きいですね。

 

メカやクリーチャーなど見所たくさん、映像も素晴らしいです

しっかりと予算をかけて作られた作品なんだと思うのですが、兵器やメカ、敵のクリーチャー(生物)の表現も素晴らしいです。
メカは日本のようなヒロイックなものではなく、「徹底的に機能に特化した無骨なデザイン」になっています。
アイアンマンみたいなパワードスーツを出しちゃうこともできたかもしれませんが、クリーチャーとの対比という意味では無骨で若干の不自由さもあるような重々しいメカってすごく映えるんです。
クリーチャーも目で追えるギリギリの速さで動いていて人類の常識の外にいる感じが表現されていていいですね。
ストーリーを無視して映像だけでも楽しめる作品だと思います。

ところで、アルファとかオメガとか苦手じゃないですか?

海外の方は常識的なのかもしれませんが、私個人的にはアルファとかオメガって言われると「えーと、オメガってなんだっけ?」一瞬思考が立ち止まって考えちゃうんですよね。
あちらの文化圏ではアルファは始まりを表す言葉、オメガは最終形態やゴールを表す言葉で使われることが多いんですよね。
この作品もそういうキーワードが出てきますが基本的にはよくできたわかりやすい作品なので、この辺の言葉の理解に瞬発力があれば詰まるところもなく一気に楽しめるのではないかと思います。

ひとことまとめ

日本のラノベ原作のアメリカ実写映画ってことで地雷だろうなと思っていたのですが想像以上によく作られていてびっくりでした!
テーマの死に戻りについてはサブカルに長けた日本人だとやや満腹感があり新鮮味もないかもしれませんが、映画の出来自体は素晴らしいです。
アメリカのアクション映画が好きな人なら気軽に楽しめて満足度も高いと思います。
アマゾンプライムビデオでも配信されていますし、中古で500円程度で売られているのでぜひお暇な時に!

おすすめ度 ★★★★